~上場株式の評価について~

税理士・不動産鑑定士の説田です。

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今週は「上場株式の評価」について触れて参ります。

(上場株式の評価)

上場株式の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。

(昭47直資3-16・平2直評12外・平15課評2-15外・平20課評2-5外改正)

(1)(2)に該当しない上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所(国内の2以上の金融商品取引所に上場されている株式については、納税義務者が選択した金融商品取引所とする。(2)において同じ。)の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最終価格が課税時期の属する月以前3か月間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額(以下「最終価格の月平均額」という。)のうち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。

(2)負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の価額は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。

(上場株式についての最終価格の特例-課税時期が権利落等の日から株式の割当て等の基準日までの間にある場合)

前項の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期が権利落又は配当落(以下「権利落等」という。)の日から株式の割当て、株式の無償交付又は配当金交付(以下「株式の割当て等」という。)の基準日までの間にあるときは、その権利落等の日の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格をもって課税時期の最終価格とする。

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

(平11課評2-2外・平18課評2-27外・平22課評2-18外・令3課評2-43外改正)

 課税時期の最終価格=100円(75円は、権利落等の後の最終価格なので採用しない。)

(注)上記に該当する上場株式の最終価格の月平均額については、後述の≪上場株式についての最終価格の月平均額の特例≫の定めがあることに留意を要する。

(上場株式についての最終価格の特例-課税時期に最終価格がない場合)

≪上場株式の評価≫の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期に最終価格がないものについては、前項の定めの適用があるものを除き、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる最終価格をもって課税時期の最終価格とする。

(平11課評2-2外・平18課評2-27外・平22課評2-18外・令3課評2-43外改正)

(1)(2)又は(3)に掲げる場合以外の場合 課税時期の前日以前の最終価格又は翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格(その最終価格が2ある場合には、その平均額)

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

 課税時期の最終価格=102円(100円又は102円のうち課税時期に最も近い日の最終価格)

(2)課税時期が権利落等の日の前日以前で、(1)の定めによる最終価格が、権利落等の日以後のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合 課税時期の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

 課税時期の最終価格=101円(76円の方が101円より課税時期に近いが、76円は権利落等の日以後の最終価格なので採用しない。)

(3)課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後で、(1)の定めによる最終価格が、その基準日に係る権利落等の日の前日以前のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合 課税時期の翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

 課税時期の最終価格=75円(100円の方が75円より課税時期に近いが、100円は権利落等の日以前の最終価格なので採用しない。)

(注) 上記の(2)及び(3)に該当する上場株式の最終価格の月平均額については、次項の定めがあることに留意を要する。

(上場株式についての最終価格の月平均額の特例)

≪上場株式の評価≫の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期の属する月以前3か月間に権利落等がある場合における最終価格の月平均額は次によるものとする。

(昭47直資3-16・平11課評2-2外・平18課評2-27外・平22課評2-18外・令3課評2-43外改正)

(1)課税時期が株式の割当て等の基準日以前である場合におけるその権利落等の日が属する月の最終価格の月平均額は、次の(2)に該当するものを除き、その月の初日からその権利落等の日の前日(配当落の場合にあっては、その月の末日)までの毎日の最終価格の平均額とする。

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

 最終価格の月平均額=権利落の場合は100円、配当落の場合は95円

(2)課税時期が株式の割当て等の基準日以前で、その権利落等の日が課税時期の属する月の初日以前である場合における課税時期の属する月の最終価格の月平均額は、次の算式によって計算した金額(配当落の場合にあっては、課税時期の属する月の初日から末日までの毎日の最終価格の平均額)とする。

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

(株式の割当条件)

株式の割当数 株式1株に対し0.5株を割当て

株式1株につき払い込むべき金額 40円

 最終価格の月平均額=権利落の場合は80円×(1+0.5)-40円×0.5=100円、配当落の場合は80円

(3)課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後である場合におけるその権利落等の日が属する月の最終価格の月平均額は、その権利落等の日(配当落の場合にあってはその月の初日)からその月の末日までの毎日の最終価格の平均額とする。

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

 最終価格の月平均額=権利落の場合は95円、配当落の場合は100円

(4)課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後である場合におけるその権利落等の日が属する月の前月以前の各月の最終価格の月平均額は、次の算式によって計算した金額(配当落の場合にあっては、その月の初日から末日までの毎日の最終価格の平均額)とする。

 なお、これを図により例示すれば、次のようになる。

(株式の割当条件)

株式の割当数 株式1株に対し0.5株を割当て

株式1株につき払い込むべき金額 50円

 最終価格の月平均額=権利落の場合は、(125円+50円×0.5)÷(1+0.5)=100円、配当落の場合は125円

権利落ち等の評価はかなり難しいです。通常の場合はネットで上記4つの価格は把握出来ますが、そうでない場合は記載資料を理解した上で読み込まないと価格の算定は困難になります。来週もよろしくお願いします。

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